【初心者必見】システム保守の項目と金額目安を簡単に理解!
はじめに
企業や店舗で使われるWebシステムや業務システム。その稼動を支えるのが「システム保守」です。この記事では、初心者にも分かりやすいよう、システム保守の基本項目と相場、無駄を省くコツやトラブル回避法まで徹底解説します。
1. システム保守とは?
システム保守とは、「システムを正常に動かし続けるための活動全般」です。
開発が「作る」なら、保守は「維持・改善」する役割を担います。具体的には、障害対応や定期メンテナンス、監視、問い合わせ対応、軽微な改修などが含まれます。
保守がなければ、セキュリティリスクや性能劣化、法改正未対応など業務への影響が広がります。
保守と運用の違い
運用は「システムを毎日動かす作業(バックアップ、ユーザー管理など)」。
保守は「システムの健全性を保つ作業(不具合修正、機能改善)」です。
2. 保守費用の目安と業界相場
保守費用の目安は「開発費の15~20%(年間)」です。
例:開発費1000万円なら、年間150万~200万円程度が一般的な相場となります。月額換算だと12.5万~16.7万円くらいが妥当です。
規模別の費用目安
システム規模 | 月額保守費用 | 備考 |
---|---|---|
小規模(~30画面/~50名) | 5万~15万円 | 障害対応/定期メンテ中心 |
中規模(~100画面/~500名) | 15万~50万円 | 24h監視/軽微な改修含む |
大規模(100画面以上/500名以上) | 50万~200万円以上 | 24h365日監視・専任チーム |
業界によっても相場が異なり、金融・医療は相場の1.5~2倍、製造・物流は1.2~1.5倍程度高くなります。
3. 保守費用の算出方法
代表的な算出法は3つあります:
1. 開発費ベースの算出法
開発費の一定割合(15~20%)を年間保守費とする方法。シンプルですが、システム規模や実際の作業量とギャップが生じることも。
2. 工数積算方式
必要作業工数に技術者単価(例:月20時間×5,000円/時間=月10万円)を掛けて計算。透明性と柔軟性が高い反面、見積もり作業にやや時間がかかります。
3. 機能ポイント方式
画面数や帳票数、データベースの複雑さで保守コストを算出。大規模・複雑なシステム向きです。
4. 保守項目の詳細と内訳
標準的なシステム保守は、次の項目で構成されます。
- 定期保守・メンテナンス(20~30%)
サーバー・DB最適化、パフォーマンス調整、セキュリティパッチ適用 - システム監視(15~25%)
稼働・リソース・エラーログ・不正アクセス監視/アラート対応 - 障害対応(25~35%)
原因調査、緊急修正、報告書作成、再発防止策 - 問い合わせ対応(10~20%)
ユーザーQA、操作説明、運用ルール相談 - 軽微な改修・改善(10~15%)
画面調整、帳票追加、小規模機能改修、法改正対応 - 管理・報告業務(5~10%)
月次報告書作成、定例会議出席、計画策定、ドキュメント更新
5. 金額や項目が相場より大きく外れる場合の注意
割高となるケース
- 古い技術や特殊技術による保守(~2倍)
- 24h365日即時対応契約
- 独占契約による競争不在
安すぎる場合のリスク
- 対応時間や内容が極端に限定
- 経験浅い事業者に委託
- サービス品質低下・緊急対応不能
相場から外れている場合、必ず理由を確認し、内容説明を求めましょう。
6. 見積書や契約書でチェックすべきポイント
- 算出根拠や計算式が明記されているか
- 保守項目が「一式」ではなく明細化されているか
- 基本サービスとオプションが区別されているか
- 時間外対応や追加作業の料金が明記されているか
- 契約更新時の条件や解約条項が明確か
- 月次報告書の提出や作業実績の開示があるか
7. 成功事例と失敗事例
成功:A社(製造業)
初期費用3000万円、当初月額80万円の保守契約を相場調査・内容分析で月額42万円に削減。サービス品質も業務に十分。
失敗:C社(サービス業)
安さにつられ技術力不足の事業者に委託。障害時の復旧遅れ、業務停止・顧客離れ等で1,350万円超の損失を発生。
教訓
価格だけでなく内容や品質、契約の透明性を必ず確認し、定期的な見直しや実績照合を行いましょう。
8. 保守内容の見直しと無駄な費用削減法
- 過剰なサービスレベル(小規模なのに24h監視等)は不要
- 重複項目や自社で対応可能な作業は契約から除外
- 利用実績がないオプションや上限を見直し
保守費用を適切に見直すことで、不要なコストを削減し、必要な機能追加や改善に予算を回せます。
9. まとめ|システム保守を賢く選び、コスト最適化を
システム保守は「目に見えにくい保険」のようなものですが、その内容と金額目安を理解することで、安心で持続的なシステム運用が実現します。「開発費の15~20%」、規模ごとの相場感、項目ごとの詳細、成功・失敗事例から学ぶデータで、保守契約を最適化しトラブルを回避しましょう。
これから保守契約を検討する場合は、見積もりや条件交渉・比較資料の取得をおすすめします。また社内運用担当者や経営者の方は、年1回程度の見直しと内容説明の義務を設けることで、コストと品質を両立させることができます。